宮崎で起きている現実

 宮崎で起きている現実を皆様、今一度考えてみてください。 見せていただいたチラシには最初にこう書かれていました。
ある畜産農家さんのミクシー上の日記を紹介していました。書くべきなのか書かざるべきなのか・・・以前書いた日記「あの母の瞳は閉じられた」の文中にある・・さすがに書くことがためらわれるほどの心が冷える行為さえも現場では起きてました。を、やはり書くことにしました。・・・さらに続きます。

畜産農家を、遠くから言葉でいじめるのは辞めて欲しい。お前らのせいだとか、犯人扱いするのは、本気で辞めて欲しい。
誰だって、一人としてなりたくてなった現実ではないのだから。。。皆さんと同じ、家庭を持ち幸せに暮らしていた人達なのですから。

殺処分の様子は、本当に地獄絵図のようだった。
獣医さんが来て、一頭一頭、注射で眠らせてその後に、さらに注射で安楽死させると思っていた。
この養豚農場には、人間よりも大きな母豚が数百頭、青年豚がさらに多く、子豚が数千頭口蹄疫の症状の出ていないまま元気な豚もたくさん居る。「何十人と獣医師が来たけどよ。かき集められた経験の浅い獣医師たちは、母豚を怖がってまともに注射も打てんちゃが。急所は首筋の血管なのによ、柵の外から身を乗り出して、お尻に打とうとするわ、バカじゃねーか!豚だって生きちょっし痛いから、ひょいとお尻を動かして逃げるわな。しょうがねーかいよ、俺が柵に入って豚の首をガシイッて押さえつけてやる始末。危険やっちゃけど仕方ないわ。首筋に注射を打つやり方を教えたっちゃけど、ダメじゃわ・・・
もう、豚の首は、突き刺した注射のあとだらけ、痛々しいわ。豚はギャーギャー暴れるわ、ちくしょうーちくしょうーーー!
もっと安らかに死なせてやってくれよ。獣医師の免許をもっちょる奴しか、殺したらいかんかいよ。手がだせん・・・かわいそうでよ。もちろん、ベテランの奴は上手いし、早いわぁ。でもな、みんな目に涙を浮かべながらも作業してくれてるんよ。命を救うための獣医師がよ。今まで、命を助けようとがんばってきた獣医師がよ。この注射打ったら、こいつが死ぬってわかりながら、注射を打ち込むんよ。そりゃあ、人としてつらいし、心が痛むわなぁ。歯を食いしばるしかないのかよ!
俺はさ、もともと出荷のための豚なら、なんとかあきらめがつくんよ。出荷だと思えばいいちゃかい。でも、母豚はよ。俺がこの農場に努めだしてからずっと面倒見てきたっと、性格もよくわかる。顔見りゃ名前も、出産した回数も、病気した時、エサを腹いっぱい食って喜んだ時。悪ん坊や、甘えん坊、気性の荒い奴、優しい奴、みーんな分かる。共に生活してきた家族やっちゃかい。
口蹄疫に感染してしまって痛々しい症状が出てる奴は、鼻や口の水泡が破けて痛いもんやからエサが食えんなっちょる。それでも腹はへるかい、えさを探すわな。豚は鼻が命じゃ。人間で言う手のようなもんで物を探るのは鼻で探るんよ。痛いやろうに・・・まともにエサが食えんかい。今日まで俺が食べさせてやってた。
鼻も口元も、蹄も乳首も痛々しいのに、俺を見つめる目はやさしくてよ。なんだか向こうがごめんよ~言ってるみたいや。ありがとう言ってるのかなぁ。注射打たれる姿に耐えられんで離れたところから見てたら、獣医師の腕をふりほどいて、こっちに走ってくっとよ。ひずめが炎症起こして血を流してるもんは、痛いから立ち上がれんでずっと横になってギャーギャー言ってる。でも、立ち上がらせて殺処分するところまで連れて行かんと、重いかいよ。まず鎮痛剤打つっちゃわ。したら、痛みが取れるもんじゃかい。ひょいと立ち上がる。でも蹄からも血が出て、腐りよっかい。蹄が取れていくとど・・・赤くなった蹄だけが地面に転がってるんやど・・・それでも、蹄が無くなった足で、俺の所に駆け寄ってくる・・はやくなんとかしちゃれよーーー
ある程度の大きさの奴は、電気で殺すっちゃわぁ、でっかい火ばさみみたいな物で、まず頭を挟んでな、スイッチを入れると高電圧が流れて、失神する。そしてそのあとに、胸の所を挟んで、心臓に電流を流すとガタガタガタとしびれて心臓を止めて殺すどと・・・かわいそうやんけ。さっきまで、元気で、震えて泣きよったやつが。突然静かに死体となるんよ。
たださ、時々、その動かなくなった豚を運んでたり、穴の中に落とした時に、生き返って動きだすやつがおるんよ。気絶してただけなんやろうな。哀れでなぁ、また殺さにゃいかんし・・。まだまだ元気な奴らはさ、どんどん穴ん中に落としていく、みんなで板を使って追いやって穴に落としていく。一番下に落とされた豚たちは、熱と重さで圧死ししていくけどよ。後から後から落とされた豚は、どんどんジャンプして穴から必死に飛びでようとするんよ。だから、上からブルーシートをかぶせてよ、コンパネの板を上において、飛び出してこんように、俺たち人間が上に乗るっちゃわぁ・・・ それでん、下から・・ドンっ!ドンっ!て必死にぶつかってくっとよ。そのすきにブルーシートの隙間からホースを入れて、中にガスを流し込むとよ、するとだんだん静かになってきてよ、しばらくするとシーンとなるんよ。
作業員達があちこちで、殺処分をしていってる。地獄を描いてる絵があるわぁ。鬼が人間をいたぶってる絵よ。あのまんまって感じ。豚舎の中が、ギャーギャーって今まで聞いた事もないような泣き声があちこちから聞こえるかいよ。赤ちゃん子豚が不安な目でジッとしちょっちゃわ。病気で感染した奴は、蹄から血を流して痛いし、口が使えんもんやからコロコロって死んでいく。死んだ子豚をここ数日何頭拾って歩いただろう。それでも、豚舎が違ってたりで感染していない元気な奴もいっぱいおる。殺さにゃいかんとか・・・本当に、この子達を殺さにゃいかんとか!
周りの異常な雰囲気を感じちょっちゃろうね。ひょいっと両手で掴みあげるわ、すると、身体をグッと堅くして、不安げに身体をぶブルブル震えてるのが手のひらから伝わってくるとよ。ごめんなぁ、ごめんなぁ。俺が泣き出してよぉ。
その身体に注射針が刺されて、静かに、ぐったり手の中で重みだけを感じる物体になる。もうどんだけの涙が流れ出たかわからん。あと残ってた豚舎は、ウィンドレスの豚舎じゃかい帰ってくる時・・空気を送り込むフャンのスイッチを切ってきた。家に帰ってよ。風呂に入ってよ。飯はよう食わんかい。焼酎飲みながらテレビをみてるとよ。俺・・いつのまにかボロボロボロ泣いてるっちゃわ。今頃、静かに窒息死していってるんだろうなぁ・・・
お前よ。豚は言葉がしゃべれんけんどよ。もしもよ、お前の子供をよ、「なんで?」って言われながらよ。国からの指示やかい言うて・・大好きなのに・・手の中で殺せるか。
まだ口蹄疫の感染拡大は収まらない、今もまだ、毎日毎日、牛や豚が殺処分されていく。そして全ての農家で、こんな味わいたくもない体験を味わってる。なぜ、農場主や従業員が、中に入って一緒に処分しないといけないのか。せめて、優秀な獣医師や、テキパキ動ける自衛隊員をもっともっと送り込んでくれよ!
今朝までで、126軒、11万4177頭の生き物の殺処分が言い渡された。あなたの町には 、何人の子供が住んでいますか?どうぞ、必死に愛してやってください。そして、これ以上の被害農家を出さないためにも、今、元気で生きている牛や豚の為にも自分自身で意識をたかくして、「防疫・消毒」にご協力ください!!!

これを読んで意見は色々でしょうが、再度宮崎の厳しい畜産農家さん達の現状を思い知らされます。